みっぴっぴのぴ

　おはぎを買いにいったら既に売り切れで、えー、と思いつつも彼岸団子を買う。
　夕食は何にしようか考えながら実家に行った。

　今日は父と二人で晩御飯を食べることにしたのだ。
　彼岸団子を一つ仏前にお供え。
　父と一つずつ食べながらテレビを見る。

　一緒に晩御飯食べようと言うと「食べに行くか？」と父にしては珍しく提案があった。
　外食といってもご近所の中華料理屋なんだけど、二人で行くのは初めてかもしれない。

　夕食まで2階の片付け。写真を探すためにアルバムをごそごそ。ついでに見つけた不要なものはゴミ箱へ。ここでがっつり片付けをすると時間がなくなるので、ほしい写真が見つかったところで終了だ。

　この中華料理屋も何年ぶりかなぁ。
　あまりいらんで、と父が言う。食いしん坊なのにそんなことを言うのはやはり歯が悪くなってきているのかな(本人は否定するが)。
　3品選んで全部半分こ。食べにくそうにしていたお肉はさらに半分に切る。
　ぽそぽそと話をしながらゆっくり食べる。

　お会計でレジ前に立つと、私がサイフをあけるよりも早く父がお札をレジの人に渡した。え？と言うと、ええねんええねんとだけ言う。ありがたくごちそうになることにした。

　なかなか4人で食事ができないことを気にしているようだ。
　だからせめて私だけでも食べさせてあげようとしてくれたみたい。
　ごちそうさま、ありがとう。

　「お母さんが生きてたらなぁ」
　今日は父の口から何度もその言葉がでた。